ファドを考えるときに

ポルトガル語だということ。

これが本当に心にのしかかります。

私はそんなにうまく会話ができるわけではありませんが、

今までポルトガルのファドの現場では、大変お世話になってきました。

発音を研究して、歌い方を研究して、

歌詞を覚える。実際にポルトガルに滞在し色々学び続ける。

 

この繰り返しで、11年。50曲ほどのファドを覚えてきました。

 

ここまで来て、

なんですが、

改めて思うのが、

ポルトガル語で思いを表現することに関しての

壁を感じます。

 

それが日本語の歌を2017年から歌うようになって

さらに感じるようになったんですね。

 

昭和歌謡や、河内音頭の勉強を開始し、

歌詞をたくさん日本語で歌います。

 

そうすると、

日本語であっても、感情的にわかりにくい部分があるのですよ。

その体験がないから。

でも、すごくストレートにこれは伝えられるっていう面もものすごくある。

 

ファドを歌って日本語の歌を歌って2年たってみて、

 

母国語の偉大さが身に染みるんです。

違いがやっぱりすごすぎる。

 

私は歌詞のイメージや意味がすごく心に刺さらないと

歌えないので、だから詞がとても美しく、イメージが浮かぶ

ファドをやってきたんですよね。

自分の持っている大きな悩み(苦悩)も

この音楽は癒せるというふうにも思いました。

 

それでもやっぱり歌詞がポルトガル語であると

響きや、乗せ方、発音を丁寧に、、、、、とやることがいっぱいです。

 

当然です。当然です。

 

しかし日本語の歌はどうでしょう。

 

一番大事なことは内容を観客にストレートに伝えられるということになります。

いいですよね。本当に日本語。

 

でもね、これって本当にファドやらなかったらここまで絶対に考えなかった気がします。

なぜならファドであるから、好きだからここまで考えて悩むんですよ。

また自分でいうのもなんですが、

本当にファドをやって歌唱力自体が上がりましたし、

声ももうとんでもなく強くなりました。

 

だからこそ、

それでも表現できない部分が本当に大きいなって・・・

ただイメージ力というものが本当に大事なんだと最近は感じます。

 

詞の中の世界を、イメージできるということですね。

ただの詞として読めるのではなく

イメージして、頭に描いて、あたかもそこでその状況が行われているような

様子ということです。

でもこれは

なりきるというのとは違うと思います。

 

わたしたちは、その世界を伝える役割。

だからその主人公になってしまった・・・・というのは

単なる自己陶酔。

 

昔、ファドをやるならなりきりなさい。というアドバイスを受けたことがあります。

ポルトガル人みたいになりなさい。

アマリアになると決めなさい。

などなど

 

まあ強固な考え方がたくさん残されています。

 

けれど私が今好きでなりたいのは

今の時代のファド歌手なんです。

 

ポルトガルにおいてもその自由さは広まっています。

 

「自分はファド歌手ではない」と言っている

アントニオザンブージョは、ファドの名店出身で、

声、歌い方を変えて今のスタイルで新しいファドを広めました。

 

みなさん自分の個性を前に出して

確かな歌唱力とともに新しい形でファドを発信している。

 

わたしにもそれがやっぱり目標だなと感じます。

 

そんな場合、日本人である私ができるファドって何かな。

 

って考えます。

 

2014年にバイオリニストの葉加瀬太郎さんのラジオに出演させていただき、

収録のあとに、太郎さんが私にとっても大事なことを言いました。

 

それは

 

現地と同じことをしてもそれは真似だから。

マチャコさんのファドをきちんと作って日本から発信しなさい。

 

今、ようやくこの言葉の意味がすごくわかるのです。

 

今年は、わたし、動きます!!!

 

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

asaimasako

MACHAKO(浅井雅子)です。ポルトガルの大衆音楽ファド(FADO)を歌っています。 行動力と溢れ出るパワーで生きています。フラメンコ・サンバ・サルサも大好きです。ギターとパーカッション命。好奇心いっぱいに生きてます。