ファドの声 夕闇に一人

オハコsongの中で、の望まれる方にファドを教えておりますが、

ストレートボイスをまず習得していただく方法から入るボイストレーニングなので、本当にファドを歌いたいかたには、私のレッスンは、私がファド歌手だからということだけではなく、合っていると思います。

 

時々「しわがれたような声じゃないとやっぱり雰囲気がでませんよね」という質問がきます。

また「高い音が出ないので、ファドが似合うかと思って」という方もいらっしゃいました。

いままで、体験も含めたらファド自体習いたいというかたが

10名以上受けてくださっていますが、

そのみなさん「全員」声質が違います。(もちろん当たり前ですが)

 

そして、歌ってみてまず実はポルトガル語の難しさと

ファドの持っている、表現の幅に難しさを感じてしまうことが多いです。

 

でも私はまず、

例えばこういうお見本を見て聴いていただきます。

 

これはアマリアロドリゲスの初期のころの歌声

1945年ころのアマリアです。

 

これはかなり悲しい恋の歌なのですが、ここでは内容を

おいておいて、発声についてお話したいです。

この曲の一番最後のフレーズですが

「ショーーーーーロソジニャーーー」と伸ばすところ。

ここを聞いてください。

これは「ドのシャープ」までアマリアのキーだとあります。

日本では、ほぼ合唱の練習の場合は、この音は裏声にするような

キーです。

でも、これを最初から裏声で

もし

ショーーーーーロ・・・とはじめたらどうでしょうか?

 

伝わると思いますか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このぎりぎりまで引っ張って

声の極みを出すところに

基本的にはファドの感傷というのか、

痛みのようなものが出てくると私自身は感じています。

そして同じ曲を現在とても人気のあるクカロゼタさんが歌うと

このようになります。

 

この方は、自分で作曲もされていたり、

またとってもスタイルが良くて💖モデルのようなかたで

美しく、非常に人気のある方です。

リスボンで実物をみましたが、若いころの石川さゆりさんのような感じでしたね。

 

さておき。

この歌い方いかがですか????

彼女も素敵です。

自分の節回しでうたっていらっしゃるのがわかりますね。

実はアマリアよりも曲のキーは、1音下げて歌っています。

それでも高音を同じように感じますね、

何と歌い方で途中、さらに部分的に半音あげているのです。

 

彼女のように、新しいファドを作り上げている新星のような

かたが、こういったアマリアの定番曲をさらによみがえらせているのが聞いてて熱くなります。

とにかく自分の持っている声の極みというものを

考えてほしいなと思います。

それは無理をして発声をしてほしいのではなく

 

自分の限界のキーをさぐり

そこに向かっていく気持ちで一曲を歌ってほしいということです。

 

最初からこの音が来たら裏声にしよう。

と決めないでくださいね。

 

なぜなら、そのうち出るようになる可能性があるのに、

そこで

「ここは裏声で、ここは鼻から抜いて」

とやっているとそれが定番になってしまうからです。

 

うまいとか下手ではなくて、それは心意気がファドじゃないなと思います。きっぱり言うと・・・・

 

私が伝えたいのは、

自分の声は今以上によくなるということです。

 

裏声に逃げないで、挑んでください。

 

挑んだ先にうまいとか下手とか、ちゃんと勉強したとか

そんなんじゃない。

 

本当の心のこもった一曲ができあがります。

 

安心をしないこと。

それがファドを歌うものの持たねばならない宿命みたいな

ものじゃないかと、アマリアの声の遍歴を聞いていても

思います。

 

彼女は若いころ、ギタリストにキーをかなりあげられていたそうですが、本当にきれいな声なので、それもわかりますね。

 

けれど、晩年は、声がかなり変わりました。そしてさらに味わい深いものに変化しました。

ただ、そうなっていくだけが声じゃないです。

 

いつもこのブログで上げている、八神純子さんや、岩崎宏美さん、

そして薬師丸ひろ子さんのような、若いころと変わらない

いや、若いころより深みのある高音も、出せる人がいるのです。

 

だから

声はこういうもの。という決めつけをしないで。

 

ぜひ、可能性が広がるファドにチャレンジし、

自分のオハコを作り上げていただきたいと思っています。

声には可能性しかありません。

 

こうこうこういう声じゃないと歌えない。

というよりも、

 

こういう声にはなりたくない。

こう言う声になりたいのだ!

という思いを持って

自分の望む声のお見本を常に探してみてくださいね♪

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ポルトガル大衆音楽ファドを歌い、南国の熱いキューバダンスを踊る。ラテン界のチャレンジャーMACHAKOからの皆様への声とココロとカラダに役立つ情報をお届けしています!

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ABOUTこの記事をかいた人

asaimasako

MACHAKO(浅井雅子)です。ポルトガルの大衆音楽ファド(FADO)を歌っています。 行動力と溢れ出るパワーで生きています。フラメンコ・サンバ・サルサも大好きです。ギターとパーカッション命。好奇心いっぱいに生きてます。